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笑う門には福来たる♪ 「笑い」でストレス解消を。
思いっきり笑うと、晴れ晴れとした気持ちになりますよね。「笑う門には福来たる」「笑いは百薬の長」ということわざがあるように、昔から、「笑うこと」によって幸福感が上がり、心身の健康にもよいと言われてきました。さらに近年になり、笑顔が実際にどのような効果をもたらすのかが、科学的にも明らかに。そこで、ストレスのない1年を過ごすためにも、笑いの効果について詳しく知りましょう。
「笑わない」人は笑う人より死亡リスクが2倍?
複雑な人間関係や将来への不安、社会環境のめまぐるしい変化など、多くのストレスにさらされている現代社会。いかにストレスを緩和させるかが重要視される中、「笑う」という行為が人の心と体に与える影響について、さまざまな研究が行われています。
山形大学が、2万人の健診データを基に2019年に笑う頻度と死亡や病気のリスクに関する研究(※)をしています。その結果によると、ほとんど笑わない人は、よく笑う人に比べて死亡率が約2倍高く、脳卒中など心血管疾患の発症率も高かったそうです。笑いが精神的ストレスの解消にも有効であることを示す研究も数多くなされています。
思い切り笑うことで、いったん思考が「無」になるため、前頭葉から発せられるストレスホルモンが減少。笑うことでドーパミンや、セロトニン、オキシトシンなど、心と体にいい脳内物質が分泌され、ストレスホルモンが抑制されるとも言われています。
※参考文献:山形大学医学部看護学科櫻田香教授による研究
「一般集団における笑いの頻度と全死因死亡リスクおよび心血管疾患発症リスクとの関連:山形県コホート研究より」
医師も注目! 「笑い」の健康効果。
笑いの健康効果のうち、特に効果があると言われているのが、次の3つ。それぞれ詳しく見ていきましょう。
1・免疫力アップ
わたしたちの体には、「NK(ナチュラルキラー)細胞」という、がん細胞や細菌に感染した細胞を攻撃する力を持つ白血球の一種があります。笑うことにより、NK細胞が活性化し、それにより免疫力がアップ。病気に強い体になれるのです。
2・自律神経のバランスを整える
自律神経のバランスが乱れやすい現代社会。自律神経には、体を活動モードにする「交感神経」と、休息・回復モードにする「副交感神経」の2つがあり、このバランスが崩れると体調を崩しやすくなります。過剰なストレスを受けたり、生活習慣が乱れたりすると「交感神経」が優位になるのですが、笑うことによって「副交感神経」が優位になります。その結果、自律神経のバランスが整っていきます。
3・脳の活性化
ストレスを受けると脳が酸素をどんどん消費してしまうため、脳細胞が酸素不足になり脳の働きが低下します。笑った時の酸素摂取量は、1回の深呼吸の約2倍、通常の呼吸の約3~4倍。笑うことにより、大量の酸素が取り込まれ、細胞が活発化するのです。
最初は作り笑いでもOK! 「笑い」をトレーニングしよう♪
なんと、感情を伴わない作り笑いでも、NK細胞の活性化や自律神経の安定に、心の底から笑った時と同じ効果が期待できるのだそう。笑う表情を作るだけで、血流が改善され、ストレスが軽減されたという実験結果が存在するのです。以下に挙げた2つの方法を参考に、「笑う」ことを意識的にやってみましょう。
・口を「あ・い・う・え・お」と、ゆっくり大きく開け、顔全体の筋肉を大きく動かしてみましょう。
・鏡を見ながら、口角を上げて笑顔を作りましょう。手を添えて、口の両端をぐっと引き上げても良いです。
いかがですか?大切なのは、「笑う」という動作をすることです。感染症の影響が長く続き、社会情勢にも不安が多い昨今は、ついつい笑顔が少なくなりがち。こんな時代だからこそ、マイナス要素を吹き飛ばす「笑い」のパワーが必要です。テレビのお笑い番組やコメディ映画を観るなど、自分からどんどん楽しいことを探しましょう。そして面白いと思った時には、遠慮せず声に出して大笑いを。日常生活のなかで「笑い」のタネを探しながら笑顔になることを意識することで、ストレスを軽減し、心安らぐ日々を送りましょう。